静かなカンポ・サン・トマーに佇む「バセゴ」(ヴェネツィア語で「バジル」の意)は、伝統と現代的なセンスが優雅に調和したモダンなバカロ(酒場)である。むき出しのレンガ壁と緑のアクセントが特徴のミニマルな美学は、観光客の喧騒とは一線を画す温かく居心地の良い空間を創出している。

バーの料理は、季節の地元食材で作られるベネチア風タパス「チケッティ」が中心。クリーム煮タラ、野菜添えタコ、燻製サーモン、さらにはスパイス効いたパンと共に供されるインド風カレーなど、客から絶賛される一品が揃う。ある評論家はこれらの一口料理を「精巧で丁寧に調理された」と評し、中には1品わずか2.50ユーロのものも。質の高さと手頃な価格が見事に融合した「ポストカード」のような一品だ。

料理を引き立てるのは、芸術的に厳選されたドリンクセレクション。バセゴでは、爽やかなイタリア産白ワイン、バランスの取れた赤ワイン、スプリッツカクテル、地元のクラフトビール、時にはチケッティに合うアランチーニを提供。ワインリストは頻繁に更新され、スタッフが気取らず親しみやすい態度で客の選択を導く姿勢が高く評価されている。

複数のレビューでは、優れた飲食の質だけでなく、心地よくリラックスした雰囲気も強調されている:

「素晴らしいワインバーで、チケッティも最高。地元のビールも数種類。いつも良い音楽が流れ、地元の客層がくつろいでいる」

「ヴェネツィア随一のチケッティ店…サービスが非常に親切…強くお勧め」

さらにBasegòは「恩送り」の伝統を通じて、コミュニティ精神と寛大さを体現している。客が事前にチケッティやプロセッコを支払い、後から訪れる客に提供するという心温まる習慣が、親密な雰囲気をさらに豊かにしている。

総じて、バセゴは静かに、そしてスタイリッシュに提供される本物のベネチアの味を求める人々にとって、気取らない洗練された場所として浮かび上がる。その魅力的なデザイン、独創的なチケッティ、考え抜かれたドリンクペアリング、そしてコミュニティを大切にする精神が、ベネチアのバカロ文化に卓越した貢献をしていることを示している。